直撃インタビュー(味覚障害)

2018.11

-味覚障害の症状について

インタビュアー
本日は貴重なお時間を誠にありがとうございます。早速ですが、実際に味覚障害とはどういった症状なんですか?

長谷川先生
食べ物の味が感じなくなるんです。味が薄くなったり、無くなったり。何も食べていないのに甘く感じる人もいれば、苦く感じる人もいる。苦い人はいつも苦い思いを感じて過ごさなければいけないんです。また口が酸っぱくなったり口臭異常なども生じるんです。とにかく何を食べても美味しくないのでそのうち物を食べるのが苦痛にまでなるんです。

-自身も過去に味覚障害になった経験がある

インタビュアー
それは本当につらそうですね。
長谷川先生が味覚障害の改善治療について本格的に行われたのはなぜですか?

長谷川先生
そうですね、実は私自身が15年程前に味覚障害になったことがありまして。。その時の様子はホームページの体験談にも細かく書いたのですが、あの日々は本当につらくて。。その時に医者にも通ったのですが一向に良くなる兆しが見えず、待合室で他の患者さんといろいろ話をしました。直接あなたも味覚障害ですか?などと聞くと、中にはもう1年以上闘病をしている方もいらっしゃいました。病院で言われたことを色々試してみたがいつまで経っても口の中がビリビリして一向に良くならない。家庭がある人で特に変な食事もしていないし、健康な食生活を送っているとのことでした。
私はそれを聞いて自分もこの治療をしていても駄目だろうと思ったのが自分で治療を始めた出発点なんです。それだったら自分で治してやろうということで、味覚障害の治療を自身で始めたんです。

-味覚障害の発生する原因は?

インタビュアー
実際には味覚障害とはどういったことが原因で発症するのでしょうか?

長谷川先生
五臓六腑という言葉は聞かれたことありますよね?実はこの五臓とは『心・肝・腎・肺・脾』の5つから成るんです。これがもともと漢方の診断学になるのですが、この5つの臓のどこかにひずみが生じる、すなわちそこが弱くなると、それぞれによって各病気が発症するといった考え方が漢方学なんです。そこでまずは弱っている臓を見つけることで病気の診断をするのが漢方医学です。
この五臓のうち『脾』という場所があるのですが、一般的に知られている脾臓というのは血液を作る場所なんです。漢方学でいう『脾』は実はそこではなく胃腸をすべて指します。みなさんご存知かと思いますが、胃腸の状態というのは口に現れます。そこである文献を紐解いていったら『脾気虚(ヒキキョ)』という言葉がありました。

『脾』は他の部分と違って口から肛門まですべて空気が入っているんです。皮膚は外に触れますが、それと同様に『脾』は内なる外なんです。その『脾』のどこかが正常に機能していれば、口の中の舌の機能も正常に働くし、口の中の唾液も正常に機能して物をおいしいという満足感があるんです。
逆に『脾』というところに異常が出る、何かしらの不具合が生じると味が薄くなったり、味が無くなったり、中には何も食べてない口が甘く感じたりするんです。なので『脾』という場所の異常が最終的には口に現れるんです。

-患者様の治療例について

インタビュアー
今までどのような患者様を診てこられましたか?

長谷川先生
以前、お店に20代半ばごろの女性がご来店されたのですが、その方は口の中が苦くて苦くてしょうがなかったそうで。病院に行くと口の中のどこかから苦い成分が分泌されていると言われたそうなんです。その女性は「もし私のどこかから苦いのが出ているんだたら私とキスした彼氏も苦く思ってくれていいんじゃないですか?」と訴えるのです。もっともな話ですよね。

インタビュアー
確かにそうですね。口から苦いものが出ているのであれば、他の人も苦いと感じないとおかしいですよね。

長谷川先生
それは実は口から苦いものが出ているわけじゃなく、そうゆう風に感じちゃっているものなんです。この辺が難しいとこなんですけど、唾液というのは普段味を感じていないんです。でも体からでているから生理食塩水の一種には変わらないでしょ?汗とか涙はしょっぱいのに唾液はしょっぱくないんです。不思議なんですけど唾液は私たちの脳がこの味を感じさせなくしているんです。

食べ物って色々な成分とかミネラルや鉄分などが混ざってできているじゃないですか。でも食べている時に鉄分の味とかを一つずつ感じていないですよね?それは1つの食べ物は色々な成分のハーモニーによってその味を構成しているんです。では自分がおいしいと思って食べているその食べ物を全世界の人がおいしいと思うかというとそうではないですよね?それは好みという言い方がされますが、味というのは人間の好みで食べているからそれぞれに甘い物や酸っぱい物、辛い物が好みなど変わってくるんですね。

味覚障害とはその個人個人が感じる味のバランスのハーモニーが崩れたときに起きるんです。自分の場合は回転ずしが殺菌剤の味しかしなくなったり、後味が本当にドブの味がしたりするんです。

-特によかった改善例

インタビュアー
いろいろな味覚障害の方を診てこられたと思いますが、特に印象深かったケースは何かありますか?

長谷川先生
数年前ごろに自作のホームページをみて長野県に住む20代の女性から一通のメールが届いたんです。そのメールには、自分が味覚障害でずっと悩んでいたということが書かれいたんです。私と同じように医者にいっても一向に良くなる兆しがなく、本当に悩んでいたそうです。そのとき藁にも縋る思いで当店のホームページ見つけたそうなんです。その女性は相談するところが見つかってとてもうれしくなりその日は久しぶりにぐっすりと眠れたそうなんです。そしたら翌朝起きたときに味覚障害が治っていいたという内容でした(笑)

インタビュアー
それは面白い話ですね(笑)やはり精神的なものに大きく左右されるのでしょうか?

長谷川先生
ホームページを見ただけで治っちゃったんだからその女性はたまたまそういったケースかもしれませんね。病院に行ってもどうせ悪い結果を聞くだけで、全然楽しくないんです。よくわからないと言われたり、治らないと言われてもいい気分にならないでしょう?ホームページに体験談を書いてからは徐々にそういった問い合わせも増えてきたんです。全国にいる同じ悩みを抱えた人たちから救いを求める電話や問い合わせが相次いでくるようになりまして、そこで「ああ、日本中にはまだまだ私と同じように味覚障害で悩んでいる方がたくさんいるんだ。その人たちを一人でも多く手助けできるようになりたい」と強く感じたんです。

インタビュアー
すごく素晴らしいと思います。私もこの先味覚障害かなと思った際は是非先生にご相談したいと思いました!

長谷川先生
ありがとうございます(笑)同じような話は喋っていると何時間でもできるぐらいあるんです。でも実際に味覚障害って本当にこういう物なんです。要するに胃腸というところが消化をしたいという気持ちがなくなると味は美味しくなくなっちゃいますよね?子供や学生時代におなかがペコペコの時に食べるその辺の食パンがものすごく美味しかったり、逆にいくら贅沢なものや大好物でも満腹の時は美味しくないし、そうゆうときはお茶漬けとかそういったものの方が美味しいですよね。結局はその時受け入れたいものが一番美味しく感じるようになっているです。それは『脾』がそう感じさせているんです。気力が虚すると味が味気なくなるんです。脾気虚とはまさにそうゆうことなんですね。

-具体的な改善治療方法

インタビュアー
ご相談に来られた方には漢方薬を処方するんでしょうか?

長谷川先生
自分自身が闘病の際にやってきた経験に基づいた漢方になります。味覚障害用の漢方というのはもちろんありません。その方のお話を聞いてその方に合った漢方をお渡しします。

-最後に味覚障害に悩む方へメッセージ

インタビュアー
ありがとうございました。
最後に先生の味覚障害改善治療における思いをお話し下さい。

長谷川先生
やはり何度も申し上げましたが15年ほど前に自分自身が味覚障害になったことが大きいですね。あの時は本当に辛かったので今まさに悩んでいる方の気持ちが本当にわかります。病院に行っても改善せずに1年も2年も闘病している方なども本当にいらっしゃいます。一人でも多くの方に当店を知って頂いて一人でも多くの悩んでいる方のお役に立てることが私の幸せです。
また、改善された方からの感謝のお手紙やメール、電話などもありがたいですし励みになります。これからも悩める多くの方とお会いし感謝のお言葉をもらえるように精進して参りたいと思います。

■インタビュアーより一言
私自身、味覚障害という存在について周りにもいないため深く考えたことはありませんでした。しかし身近な病気であることと、なったときの辛さが本当によくわかりました。先生自身が過去に闘病をされていましたので、他の方を救いたいと言う気持ちがすごく伝わってきました。
実際にインタビュー中も遠方から味覚障害で悩む女性から電話があり、一時中断をしてその電話を聞いていました。先生が症状を聞いてお薬を送る話をして電話が終わり再度インタビューに戻った矢先に先ほどの女性から電話があり、先生とお話をしたら症状が良くなったということがありました。
この先も多くの悩める方のお力になっていっていただきたいと思います。
(インタビュアー:梅原淳一)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA